Chuánqí Xiǎoshuō
传奇小说
伝奇小説（でんきしょうせつ）

　わが国の古いのスタイルの小説の一種。唐、宋の時代の人が、文語を用いて書いた短編小説である。この小説は六朝志怪小説を基に発展したので、その「作意が好奇 である」ことから命名された。これは中唐、晩唐期に興り、盛んに書かれるようになった。裴铏 が自己の作品を「伝（傳）奇」と名付けてより、これらの小説を「伝（傳）奇」と総称するようになった。現実の生活から題材が選ばれるため、社会の矛盾を反映し、人物の性格が描画され、 筋が特異であり、生き生きとした描写がなされている。とりわけ虚構芸術に工夫をこらし、ロマン的色彩に富んでいることにより、小説の発展のために広い未来を切り開いた。例えば「柳毅傳」や「李娃傳」がある。

（「中国小説辞典」北京出版社　1990.4）