入话

Rùhuà
入话
まくら、前口上

 「話」とは、即ち故事のことであり、入話とは、話本小説の中のある種の構造のことである。また、「得胜头回」あるいは、「得胜利 市头回」と称されている。「『头回』とは最初の一回の意味である。」(魯迅) 講談を聞く人の多くは、軍人や市民であるので、ゆえに「得胜 」や「利市」といっためでたい言葉をつけるのである。それは、「引子」(前置き)の形式をとり、話 本各編の冒頭に用いる。その様式は制限を受けず、よく詩、詞、故事が用いられ、本文の筋と似ているものであったり、あるいは、相反するものであったりする。その目的は客への挨拶や、場をつなぐためのものであり、また、人を引きつけ夢中にさせたり、小説などが基づいているその事実を際立たせるためにも用いる。

(『中国小説辞典』北京出版社 1990.4)

作成:水野仁徳

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