全景小说

Quánjǐng Xiǎoshuō
全景小说
全景小説(ぜんけいしょうせつ、パノラマ小説)

 この用語は、六十、七十年代のソビエトの評論の中に最初に見られ、「塹壕真実派」の作品とは違い、全景的にソビエト祖国防衛戦争を描いた長編小説を指す。例えば、チャコフスキーの「封鎖」、シーモノフ(1915年11月15日生)の三部曲「生者と死者」(1955-59)等である。これらの小説は、単なる「塹壕真実」を描いているだけでなく、「司令部の真実」も描いており、「狭い土地」の範囲内から戦争を観察するだけでなく、「地球儀」の上からも戦争を観察している。そしてソビエト祖国防衛戦争の初期の失敗だけでなく、最後の勝利も描いている。このような全面的で、総合的で、広範囲に祖国防衛戦争を描いた小説は全景小説と呼ばれ、「全景文学」とも呼ばれている。後にこの用語は、広い意味で用いられるようになり、規模が大きく、場面が広く、生活の全体図から高度に概括された叙事詩的な小説を指すようになった。(王忠棋)

(『文芸学新概念辞典』文化芸術出版社 1990)

作成:田中洋子

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