动静

Dòngjìng
动静
動と静

 芸術処理の弁証法の一つ。人物描写とプロット配置において、対比や、反対のもので際立たせるなどの表現手法を用いて、動をもって静を書き、静をもって動を書き、動の中の静、静の中の動を求める。それゆえ人物の思想感情と行動動作を深く表現し、人物形象に更なる芸術的魅力を持たせ、ストーリーを更に波乱万丈にさせ、佳境に入らせる。葉聖陶の『夜』では、娘と娘婿が革命によって不幸にも逮捕された後の母親が、しんと静まり返った深夜に阿弟からの消息を待ちながら、いろんなことを考える様子を描いている。血が見え、手かせや足かせの音が聞こえるところでは、静をもって動を描く手法が用いられている。魯迅の『薬』の結末で、カラスが「カー」と一声鳴いて飛び去る描写では、動をもって静を描く手法が用いられている。

(『中国小説辞典』北京出版社 1990)

作成:河本美紀

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