史诗小说

Shǐshī Xiǎoshuō
史诗小说
史詩小説(しし・しょうせつ)

  史詩小説とは、ソビエト文芸学において広く用いられている長篇小説のジャンルの名称である。ソビエト文芸学者カーネギー・ボスビロフ(?)の「ソビエト簡明文学百科全書」第八巻によると、史詩小説の特徴として、“主要な主人公たちの性格の形成は、広い民族の歴史背景の上にあり、社会生活の中で決定的な意義を持つ事件との関連のなかで実現されるものである”とある。それは、長篇小説的なスタイルや内容であるものと、民族の歴史(或いは英雄叙事詩)的なスタイルや内容が、大きな規模の叙事形式で融合したものである。つまり長篇小説の特徴を有していると同時に、叙事詩の性質も持ち合わせているのである。通常、それは規模が大きく、人物が多く、何巻何冊にもわたる大著であり、例えば、トルストイの「戦争と平和」やショーロホフの「静かなドン」などが挙げられる。しかし規模が比較的小さい長編小説にも史詩小説と評されているものもあり、フルマーノフの「チャパーエフ」やファジェーエフの「壊滅」などがある。(王中琪)

(『文芸学新概念辞典』文化芸術出版社 1990)
作成:田中洋子
参考:中国語の「史詩」は日本語では「叙事詩」に当たる。また杜甫の詩は「詩史」と称される。

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