芸術処理の弁証法の一つ。作品のプロット発展のリズムの速さや遅さ、人物の間の矛盾の変動状態と静止状態を指して言う。作品に比較的良い芸術効果を持たせるため、作者は人物とプロットの芸術処理において、弁証法を用い、緩急変化を把握し、リズムと調和に注意することに長じていなければならない。「弛」は人に情を楽しませ、「張」は人を奮い立たせる。例えば『三国演義』の「酒を温め英雄を論じる」の一節では、緩急両方を用い、緩急を結びつける方法が用いられている。

 

（『中国小説辞典』北京出版社　1990）

作成:河本美紀