意识流

Yìshíliú
意识流
意識の流れ(いしきのながれ)

 小説の流派及び表現の手法の一つ。心理学用語から来た。19世紀初めにアメリカのプラグマティズム哲学者、心理学者のウィリアム・ジェームズ(William James)が意識的な思考活動の性質を描写するため発明した用語である。ジェームズは、意識とは「一段一段という形で現れるものではない」、「意識とは連続したものではなく、流れるものである。『川の流れ』や『流れる水』は最も自然に意識の状態を描くことができる喩えである」と考えた。意識の流れ小説はジェーズムの概念を借用し、フロイト(Sigmund Freud)の心理分析を加えて内容とし、一種の文学流派となって西洋各国の文壇を風靡し、イギリスの作家ジョイス(James Joyce)の『ユリシーズ』は意識の流れ小説の始まりと考えられている。創作上の特徴としては「自由連想」、すなわち様々な思い、考えは論理的つながりを持たずさっと脳裏にひらめくことを強調する。内的独白、心理分析と感覚器官のイメージを主な表現方法とし、追憶、連想、夢境、幻覚、ひらめき、欲望などの心理的活動を主な表現内容とする。創作方法と構成としては、多くの作家に継承、参考にされている。中国の「五四」以降には、モダニズム文学思潮の輸入に伴って、創造社の作家は意識の流れの手法の採用を始めた。近年、王蒙などの作家も意識の流れの手法を用いて短編小説を構想している。
 
(『中国小説辞典』北京出版社 1990)
作成:河本美紀

Chinese Literature Site

error: Content is protected !!