Tuīlǐ Xiǎoshuō
推理小说
推理小説（すいり・しょうせつ）

　西洋通俗文学の一種。論理的な推理で事件を解決する小説を指す。その内容と描き方は探偵小説とほぼ似ているが、大きく違うのは、推理小説は科学的、論理的な推理に重きを置いていて、生活の真実と科学常識の基礎の上に物語を構成していることにあり、ストーリーは入り組み、スリルがあり、緊迫感に富んで、人を夢中にさせる点である。その手法は一般的に、まず不可解な事件が起こり、疑いを引き起こし、論理的推理によって間違っている仮説をひとつずつ消去していき、事件の真相を暴き出す。小説中の犯人検挙には推理という方法が多く使われていることから、推理小説と呼ばれるようになった。19世紀半ばに始まり、19世紀末の欧米各国で盛んになった。1960、70年代以降はとりわけ日本で流行、「推理小説」という名称は日本で最も早く用いられたのである。1980年代には中国の小説にも一定の影響があった。