民族化

Mínzúhuà
民族化
民族化(みんぞくか)

 文芸領域において、民族化の基本的な意味は、民族性と民族風格の一致である。文芸批評においては、作品の内容と形式の統一において現れる民族の特色であり、民族風格と呼ばれる。創作においては、作家がどのように民族形式を用いてその民族の社会生活、風俗、習慣、性格の特徴を反映し、民族精神を十分に実現し、文芸作品が自分の民族特徴によって他民族文芸と区別させることを文芸の民族化と呼ぶ。文芸の民族風格は各民族の持つ物質生活方法と精神生活方法を持ち、一定の民族生活の特徴と民族文化の伝統が文芸創作中に具体的に表現されたものである。文芸の民族化は、作家に、長期にわたる群集生活への深い入りこみだけでなく、自己の民族の風土、生活習俗と民族心理の特徴、審美理想を深く理解しなければいけない。同時に、更に自分の民族の文化伝統を掌握しなければならない。民族化は多民族文化の優れた伝統を学んで手本とすることを排斥するものではなく、それを自分の民族の文化伝統に取り入れ、自己民族の作風と気概を持たせる。文芸の民族化は民族の長い歴史発展において次第に形成されたもので、一つの民族、一つの階級文芸が成熟に達している主要な目印の一つである。

(『中国小説辞典』北京出版社 1990)

作成:河本美紀

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