现代主义

Xiàndài Zhǔyì
现代主义
モダニズム

 19世紀の末、20世紀の初め頃の欧米で相次いで現れた様々なブルジョア階級の文学流派の総称である。従来のリアリズムやロマンチシズムでない、それ以外の文芸運動、文芸思潮、創作の方法の一つである。シンボリズム、表現主義、未来主義、シュールリアリズム、意識の流れ小説、実存主義文学や不条理派の戯劇、ヌーヴォロマン、ブラックユーモアやビート・ジェネレーション、困惑の世代(反戦派)、ダダイズムなど雑駁な文芸流派が含まれる。モダニズムは19世紀の中ば頃の耽美主義からすでに見受けられる。アメリカのエドガー・ポー(爱伦・坡Edgar Allan Poe 1809-1849)やフランスのボードレール(伯德莱尔 Charles Baudelaire 1821-1867)がモダニズムのパイオニアとされている。モダニズムは第一次世界大戦の前後に大きな発展を成しとけた。20年代に確立されて、世を風靡し、第一次の全盛期を迎え、一世を風靡した。プロレタリア文学が盛んであった30年代では、反ファシズム運動や革命運動が高揚するなか、一時衰えを見せたが、第二次世界大戦の終焉と共に、モダニズムは再起を果たした。その影響はアジア、アフリカ、ラテンアメリカ文壇にまで急速に拡大し、第二次繁栄期を形成した。

 70年代中頃に至っては、発展の勢いが衰え始めたものの、その余波は依然強く残っていた。モダニズムが出現した背景には、西の従来の民主主義や人道主義を核心とする価値観念の崩壊、二度にわたる世界大戦後の資本主義社会がもたらした矛盾があり、それらによって引起された、人々の悲観的な心理状態や失望感がある。ショーペンハウェル(叔本华)の唯意志論をはじめ、ニーチェ(尼采)の超人哲学、フロイト(弗洛伊德)の精神分析に関する学説、ベルグソン(柏格森)の生命哲学やサルトル(萨特Jean-Paul Sartre 1905-)を代表とする実存主義哲学など、さまざまな非理性主義の哲学思想や社会思潮は、モダニズム文学に美学思想から創作方法に至るまで、理論的根拠を提供した。

 モダニズムの流派は雑多である一方、多くの共通とした特徴をもっている。現実を反映する面においては、西側社会の人と社会、人間同士、人間と自然、人間、自我との鋭い矛盾と奇形な関連喪失から生じた、トラウマや変態心理、悲観絶望的心理情緒やニヒリズム思想を主に表現している。文芸概念においては、モダニズム作家らの多くは芸術と生活の関連については、社会生活を表現するよりも、内心世界や心の真実、意識の流れ、夢や幻覚の描写を重視している。ミメーシスと表現との関係については、彼らは芸術を表現と創作と考えている。作家は芸術的想像を用いて客体を作ることで、主体を表現している。内容と形式の面について、彼らは内容は形式であり、形式はすなわち内容である、と考える。形式の重要性、とりわけ形式の文学性とその独立性を特に強調している。表現の手法においては、モダニズムは伝統的なスケッチ手法やプロットのロジック性、人物像描写の完全性、言語の鮮明性を否定し、また作者による直接的なストーリー紹介或いは直接的な描写についても反対した。彼らの作品の多くはストーリーが奇抜で、もしくは始めからプロットというもの自体を無くすものもある。時間順序を狂わせ、人物描写を曖昧かつ抽象的にする一方で、不明瞭で難解な言語を好んで使用した。モダニズム作家がよく用いる表現手法としてシンボリズムや意識の流れ、不条理といった技巧がある。

 モダニズムの作品はたいへん複雑で、革命的で進歩的な作品もあれば、デカダン的で反動的なものもある。それらの中間に介在するものがもっとも多く、中小のブルジョア階級のインテリによって書かれた、資本主義社会の現実をさまざまなレベルで反映するものが最も多い。モダニズムの最も重要な代表作家には、アメリカのエリオット(托・斯・艾略特 Thomas Stearns Eliot 1888-1965)、パウンド(庞德、Pound Ezra 1882-1972)、フォークナー(福克纳William Faulkner 1897-1962)、スタイン(斯坦因 Gertrude Stein1874-1946) 、オニール(奥尼尔Eugene O’Neill 1888-1953)、 スティーブンス(斯蒂文斯 )、 イギリスのローレンス(劳伦斯 David Herbert Lawrence 1885-1930)、 ウルフ(伍尔芙 Virginia Woolf 1882-1941)、 アイルランドのイェイツ(叶芝 William Butler Yeats 1865-1939)、ジョイス(乔伊斯 James Joyce 1882-1941)、ドイツのトーマス・マン(托马斯・曼Thomas Mann,1875-1955)、オーストリア・ハンガリーのカフカ(弗兰兹・卡夫卡 Franz Kafka 1883-1924)などである。

 モダニズムの文芸は西洋現代文学芸術において、軽視のできない地位にある。資本主義文明の危機を表現することを最も基本的なテーマとしているため、見くびることのできない社会的意義や認識的価値をもっている。モダニズムは二重性を持ち合わせている。現実を反映する面では限界があり、深刻な危機に直面するインテリ層を表現する一方で、大衆人民の生活、心理、思想、闘争についてはふれずに、もしくは全部が全部正確に反映しているわけではない。次に社会の矛盾の摘発では、わずかに現象面にとどまり、本質は覆い隠されたままである。これらの原因には往々にしてモダニズム作家は、資本主義社会の特有な矛盾を、普遍的でかつ恒久な問題として拡大化している。資本主義の最後を全人類の最後だと言いなす。最後に、モダニズム作家は現実を反映すると同時に、観念論やペシミスティック、ニヒリズムやエロチシズムなどの誤った思想を撒き散らした。(馮文成)

(『文艺学新概念辞典』文化艺术出版社 1990年4月)
作成:上村香織

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