Kēxué Huànxiǎng Xiǎoshuō
科学幻想小说
科学幻想小説、ＳＦ小説
（かがくげんそう・しょうせつ、ＳＦしょうせつ）

即ち科学的な空想を題材とした小説で、科学的な新しい発見、新しい成果、及びこの基礎の上で到達できる予見に基づいている。空想という形式を用い、人類がこれらの発見を利用し、ある種の奇跡の完成を描写した小説である。これらの小説は、かつて発生したことがない空想を現実として描写するが、空想の内容はある程度科学的な根拠に基づいている。優れたＳＦ小説は、科学と芸術を有機的に融合させ、読者の科学や文学に対する興味や好みを育み、満足させうるものであり、、彼らの知力の発展を促すものである。

　ＳＦ小説の分類に関して、国内では一般的に大きく二つにわけられている。一つは、作品の題が明らかに自然科学の一学科に属する「ハードＳＦ」であり、もう一つは、作品に空想的な要素は含まれているが、ある種の社会問題を題材とした「ソフトＳＦ」がある。わが国のＳＦ小説の創作も主には以上の２種類である。外国のＳＦ小説の創作はさまざまなものがあり、その分類に関しても更に細かい。あるものは大きく六つ（自然科学分野、社会科学分野、想像性科学分野、潜在的科学分野、非科学分野、偽科学分野）に分類している。また大きく三つ（ハードＳＦ、新潮ＳＦ、荒唐派ＳＦ）に分類しているものもある。

　一般的にはメアリー・シェリー(Shelley Mary W.　1797～1851）が1818年に書いた「フランケンシュタイン(Frankenstein)」がＳＦ小説の元祖であるとされている。代表的な作家に、H・G・ウェルズ（Herbert G・Wells　1866～1946）、Ｊ・ヴエルヌ（Jules&Verne1828～1905）なども挙げられる。。西洋社会が近代社会に入ってから、ＳＦ小説は近代派文学の影響を受け、伝統的なＳＦ小説とは異なる、近代派の要素を帯びた様々な流派が生まれた。例えば、意識の流れＳＦ小説、ブラックユーモアＳＦ小説、寓話ＳＦ小説、象徴主義ＳＦ小説、印象主義ＳＦ小説などである。これらの共通の特徴は、空想現代科学がもたらすことが可能な災難性、あるいは啓示性の結論を通して、ある方面または傾向に対し攻撃を行っていることである。。その代表的な作品として、アメリカ作家カート・ヴオネガット（Kurt Vonnegut）の「タイタンの妖女(Sirens of Titan)」(1959)、「猫のゆりかご(Cat’s Cradle)」(1963)、フリッツ・ライバー（Fritz Leiber　1910～1992）「冬の蠅」、「バケツ一杯の空気」などがある。

（『文芸学新概念辞典』文化芸術出版社　1990 ） （作成:田中洋子）

 　科学文芸の形式の一種。幻想的な方法を用いて、人類が科学を利用する上での新しい発見や成果を描き、ある奇跡を起こすことを内容とする小説。これは科学技術の現代化の時代における伝統的幻想小説の新発展である。優れた科学幻想小説は科学と芸術を結びつけることができ、科学幻想的構想と小説芸術の構想の統一を達成する。更に科学知識教育、道徳教育、審美教育を結びつけて、青少年の科学と芸術への興味嗜好を養い、青少年の知識を追い求める熱意をかきたて、知力を啓発する。葉永烈の『飛向人馬座』などがある。

（『中国小説辞典』北京出版社　1990）　（作成:河本美紀）