第一人称

Dìyī Rénchēng
第一人称
第一人称(だいいちにんしょう)

 文学創作での叙述、描写の方法の一種。一人称の「私」の角度から、人物や情景を描き、感情を表現する。この「私」は語り手自身でもよいし、作品中の虚構人物、主要人物、副次的人物でもよい。一人称は叙情性文学作品に最もよく見られる。小説などの叙事性文学作品にも使われる。例えば、魯迅の『狂人日記』、茅盾の『腐蝕』など。この類の描写方法の長所は身近に感じさせ、また、真実、自然であると感じさせることである。さらに、語り手の思想感情を表現しやすく、主人公である「私」の心の動きを解剖分析する。欠点は、「私」や「私たち」の 経験や見聞きしたことに限られ、広範に、多方面に社会生活を反映するには適していないことである。

(『中国小説辞典』北京出版社 1990)

作成:河本美紀
*第一人称は「自称」ともいう。

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