Yú Shàngyuán
余上沅
よ・じょうげん

（1897.10.4～1970.4.30）

余上沅小伝

　湖北沙市の人。1912年武昌文華学院に入学。1920年、北京大学英文系に進学。1923年、米国ピッツバーグ、カーネギー大学に留学、ニューヨーク、コロンビア大学で演劇を専攻数十篇の演劇関係論文を執筆したり翻訳し、中国の伝統演劇を盛り上げることを主張、功利主義に反対し、『兵変』という台本を執筆。
　1925年に帰国し、聞一多、趙太侔とともに北平美術専科学校を藝術専科学校に改組し、中国最初の演劇学科を創設した。1926年6月、趙太侔と『北京晨報』に副刊『劇刊』週刊を開設、演劇史上大きな影響を与えた。
　1926年秋より東南大学（現南京大学）に赴任。1927年には上海で新月書店の創設に参加、書店支配人および編集人を担当。1929年、北京中華教育文化基金会秘書に就任。勤務時間外に、趙元任、丁西林らと「小劇院」を結成した。
　1935年、梅蘭芳劇団に随行してソ連へ。帰国後、南京に国立戯劇学校を創設、校長に就任。抗戦期間、学校とともに移動。作品は多くはないが、戯劇運動の提唱に力を尽くし、演劇の人材を育成し、話劇の発展に貢献した。
　1948年夏、中国を代表して、チェコで行われた国際戯劇家年会に出席、帰国後、戯劇専門学校の校長を辞職し、上海で閑居。1949年、上海滬江大学中文系教授に招聘される。1952年、上海復旦大学中文系に配属。1959年上海戯劇学院戯劇文学系教授に就任。1970年病没。

（超冰『中国現代作家大辞典』新世界出版社　1992）