Yáo Xuěyín
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(1910~1999.4.29) |
姚雪垠小伝本名姚冠三。河南鄧県の人。幼時、家は貧しく、小学校3年まで、中学初級1年までしか通えなかった。1929年河南大学予科に合格。学生運動に参加し逮捕されたため、除籍処分をうけ、以後刻苦自学に勤める。北平、開封などの地を転々とし、文筆で生計を立てる。1938年茅盾の編集する『文藝陣地』に短篇小説「差半車麦秸」を、抗戦文藝の実績を示す作品と見なされた。40年代、前後して『牛全徳與紅蘿卜』『春暖花開的時候』『戎馬恋』『長夜』などの中長篇小説を出版した。青年時代から歴史に深い興味を抱き、抗戦勝利後、上海の大夏大学で教鞭を執るかたわら、明史の研究に着手し、明末の農民戦争を反映した長篇歴史小説を創作するための準備を行なった。1957年右派の間違ったレッテルを冠せられ、政治的に厳しい打撃をうけた。その困難な状況のなかで、長篇歴史小説『李自成』の創作を開始した。中国青年出版社が1963年、1976年、1981年に続々と小説の前3巻を出版し、第2巻は第一回茅盾文学賞を受賞した。第4巻、5巻も執筆中である。彼の歴史小説は、歴史的真実と藝術的真実の統一を追求する。気迫に満ち、緻密に構成され、虚実交錯し、色彩豊かで、民族的気概を備えている。現在中国作家協会の顧問である。 (『中国当代文学辞典』武漢出版社1996) 補足:姚雪垠は1990年代になって、第四巻第五巻を出版し、シリーズを完結させた。 |
著書・単行本『李自成』第一巻 (上・下) 中国青年出版社 1963.7、1977.10第6次印刷 |
参考書『姚雪垠研究専集』黄河文藝出版社 1985.8 |
邦訳『叛旗 小説李自成』(上・下)陳舜臣・陳謙臣/訳 徳間書店 1992 |
作成:青野繁治 |