Zōng Báihuá
宗白華
そう・はくか

（1897～1986）

宗白華小伝

　詩人、美学者。本名宗之櫆、江蘇常熟の人。1914年以後、青島大学予科および上海同済徳国語言学校でドイツ語、ドイツ文学および哲学を学ぶ。1918年卒業、同年少年中国学会に参加、『少年中国』月刊の編集責任を担う。1919年『時事新報』副刊「学灯」の主編者となり、詩歌や詩論を発表。1920年郭沫若、田漢との通信集『三葉集』を出版。同年、ドイツへ留学。前後して、フランクフルト大学及びベルリン大学で哲学と美学を学ぶ。1923年詩集『流雲小詩』を出版。1925年帰国。東南大学、中央大学、南京大学教授を歴任。「唐人詩歌中所表現的民族精神」「論文藝的空霊與充実」「略論藝術的価値結構」「中国詩画中所表現的空間意識」などの論著を書いている。1952年以降、北京大学哲学系教授となり、中国古代美学史、ドイツ古典美学を重点的に研究し、続けて美学論文「中国美学史中重要問題的初歩探索」「中国画論中的美学思想」「中国藝術意境的誕生」などを発表した。1981年美学論文集『美学散歩』を出版。その研究は藝術実践と中国内外の藝術史と緊密に連携しており、とりわけ中国的藝術審美特性を重視し、美は客観的に存在するが、自然、人生、社会、藝術のなかに入って行き、探しもとめなければならないが、また魂を通して、写し取らなければならない、と考えており、中国の伝統的美学思想と藝術創造における気韻生動を理想とし、有限のなかに無限を表現する。我が国の現代において早い時期に系統だてて中国の古代美学史を研究した学者の一人である。

（『中国現代文学詞典』上海辞書出版社1990.12）

著書・訳著

『三葉集』郭沫若・田漢との共著　亜東図書館　1920　上海書店影印　1982.6
『美學的散歩』台湾洪範書店　1981.8
『宗白華美学文学譯文選』北京大学出版社　1982.12

参考書・研究書