扎西達娃自伝:
私は四川巴塘の出身、チベット族、母は四川省重慶の人である。
1959年に重慶で生まれ、幼いときから母親の親戚に預けられたり、両親についてチベット各地で生活したりした。両親はどちらも幹部である。小説は9歳のときから書き始めたが、初級中学卒業後は、チベット展覧館で絵画の短期学習をし、15歳のときチベット自治区チベット劇団で舞台美術の設計の仕事につき、毎年劇団についてチベット各地を巡業にまわった。19歳のとき、チベット劇の劇作に仕事が変わり、北京中国戯曲学院で一年間研修した。
チベット自治区文聯の所属となり、1979年に短編の処女作を発表した。現在は主に、チベットの生活を題材とした中短編小説の創作に従事している。
作品はそれぞれ『西蔵文学』『拉薩河』『収穫』『民族文学』『萌芽』『南方文学』などに発表されている。
現在中国作家協会会員、中国作家協会チベット分会常務理事、『西蔵文学』編集委員。かつて、「第二次全国青年自学経験交流会」に出席し、共産主義青年団中央から、1985年の「長征突撃手」という称号を贈られた。
彼も神の一人
作家はまず文学意識を持たねばならない。彼もまた神の一人であり、一つの世界を創造する。作家は現実の生活の中に、現実とは違うもう一つの現実を創造する者なのである。
世界は作家にとって神秘的で未知のものである。そこで彼は戦戦兢兢としてそれを探検する。
動機は一種の好奇心と満足されない欲望である。
いつからかはわからないが、作家はいささか世俗から超脱するようになった。
(『当代中国作家百人伝』求実出版社)
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