曲波

Qǔ Bō
曲波
きょくは

( 1923.2.22~2002.6.27)

曲波小伝:

 原籍は山東省黄県。

 1938年に八路軍に参加。翌年、中国共産党に加入。1943年胶東の抗日軍政大学に学び、『麦収之後』や『排難除害』などの脚本を創作、大学の学員たちで上演した。卒業後は胶東軍区の前進報社の記者を務める。

 1945年軍に従って東北へ赴き、団政治処主任、団政治委員などに就任。牡丹江地区では、小部隊を率いて何度も山に分け入れ、匪賊を討伐した。
 1950年に工業戦線に転じ、機関車車両工場の党委員会書記、第二重型機器工場副工場長、鉄道部工業総局副局長などの職を歴任。すでに退職。

 1957年に出版した長篇小説『林海雪原』が代表作で、解放戦争時期における解放軍の東北一分隊が深い森と雪の山に入り、匪賊をせん滅する物語を描いている。作品は楊子栄、少剣波など多くの英雄群像を描くのに成功し、プロットは曲折に富み、伝奇的色彩を帯びており、小説から映画や京劇に改編されて、広く知れわたっている。

 1966年にはもう一部の長篇小説『橋隆飆』を完成させたが、文革中に印刷された本は廃棄された。1979年になって、ようやく再出版することができた。小説は人物の複雑な性格を掘り下げることに重点をおき、鮮明な個性をもつ在野の英雄のイメージを構築し、芸術的表現手法はより成熟に向かっている。近年は散文作品を多く発表していた。

(劉亞鉄『中国現代作家大辞典』新世界出版社 1992)

著書

『林海雪原』人民文学出版社 1957.9北京第1版、1962.9北京第2版、1964.1北京第3版、1977.5北京第7次印刷

邦訳

『林海雪原』

 
研究書

「『革命中国』的通俗表征與主体建構 『林海雪原』及其衍生文本考察」姚丹/著 北京大学出版社

作成:青野繁治

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