Cánxuě
残　雪
ざんせつ

(1953-　)

残雪小伝：

　湖南省長沙市出身。本名鄧小華。4才のとき父親が「右派」のレッテルをはられ、母親は労働改造に送られた。小学校は卒業したが、文革のため中学には進学していない。はだしの医者、工場労働者、代理教員などの仕事を経て、80年以後、夫と裁縫を独習し、それによって生計をたてる。85年から作品を発表しはじめる。中国作家協会湖南分会会員。家事のかたわら、一日に一時間ずつ時間をとって作品を書くという。グロテスクな描写とイメージに満ちたその作品世界は、カフカ等に比せられる。
　作品は長編小説『突囲表演』（88）、中編小説『蒼老的浮雲』（86）『黄泥街』（86）、短編小説「公牛」（85）、「山上的小屋」（85）「曠野里」（86）「阿梅在一個太陽天里的愁思」（86）「天窓」（86）「我在那個世界里的事情」（86）「布谷鳥叫的那一瞬間」（86）「霧」（86）「天堂里的対話」（87）などがある。

（『図説中国２０世紀文学』白帝社）

単行本

『黄泥街』中短編小説集　中国大陸現代文学叢刊　圓神出版社（台湾）1987.9／120元
『天堂里的対話』短編小説集　文学新星叢書　作家出版社　1988.3／2.05元
『突囲表演』長編小説　文藝探索書系　上海文藝出版社　1990.5／4.85元
『輝煌的日子』中短篇小説集　河北教育出版社　1995.4／12.80元
『霊魂的城堡』研究書　上海文藝出版社　1999.9／19.50元

『在幽冥的王国裏』民族出版社　2000.2
『黄泥街』民族出版社　2000.2
『黒色的舞蹈』民族出版社　2000.2
『思想滙報』民族出版社　2000.2
『通往心霊之路』民族出版社　2000.2

『中国当代作家選集叢書　残雪』　人民文学出版社　2000.3／18.00元
『蚊子與山歌』　中日女作家新作大系・中国方陣　中国文聯出版社　2001.9／20.00元
『長髪的遭遇』当代名家新作　華文出版社　2002.1
『五香街』海峡文藝出版社　2002.8

研究資料

『為了報仇寫小説—―残雪訪談録』湖南文藝出版社　2003.8／22.00元

邦訳単行本

『蒼老たる浮雲』近藤直子訳　河出書房新社
『カッコウが鳴くあの一瞬』近藤直子訳　河出書房新社　1991
　　NOTE:内容: 阿梅、ある太陽の日の愁い. 霧. 雄牛. カッコウが鳴くあの一瞬.曠野の中.
　　刺繍靴および袁四ばあさんの煩悩. 天国の対話. 素性の知れないふたり. 毒蛇を飼う者.
『黄泥街』近藤直子訳　河出書房新社 1992
『廊下に椊えた林檎の木』藤直子・鷲巣益美訳　河出書房新社1995.11
　　NOTE:内容:帰り道黄菊の花によせる遐かな想い逢引汚水の上の石鹸の泡廊下に椊えた林檎の木
『突囲表演』近藤直子訳　文芸春秋社　1997.9