滕固

Téng Gù
滕固
とう・こ

(1901~1941)

滕固小伝

 別名、滕若渠、江蘇宝山の人。幼少より、古文、古詩を学んだ。その後、上海美術専門学校に入学。卒業後、日本に留学。1924年、文学士の学位を取得して帰国。方光燾と獅吼社を結成、また邵洵美の主催する『金屋』月刊の寄稿者にもなった。
 1919年共著書『九十六女侠異聞』を執筆。1922年11月『創造季刊』第3期に代表作「壁画」を発表。美術を学ぶ留学生の片思いを描いた。作品は孤独な主人公が失意のあまり、やけ酒を呑んで血を吐き、鮮血で壁に一人の女が横たわる男の上で踊る姿を描き、失恋の悲哀を発散する、というものである。その後、陸続と短篇小説を書いて、主に『創造月刊』に発表したが、多くは退廃的傾向を帯びていた。
 1928年に出版したもう一冊の短篇小説集『外遇』に収められたいくつかの作品は現実的意義をもっている。
 1928以後、筆を折って、政治に関わり、国民党江蘇党部の執行委員となる。ほどなく内部分裂により、職を辞し、ドイツに留学。2年後、ベルリン大学哲学博士の学位を得て帰国、国民党政府行政参事、中山文化教育館美術部主任に就任。抗戦期間中は、湖南沅陵藝術専科学校校長に就任、『中国美術小史』、『唐宋絵画史』などの著作がある。

(江志凡『中国現代作家大辞典』新世界出版社 1992)

著書

『海派文化長廊 滕固小説全編』学林出版社 1997.12

研究資料
 
作成:青野繁治

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