邵振国自伝:
私はユーモアに欠ける人間である。経歴は大したことがない。しかし深い感情をもって生活を味わうことは好きだ。だから私の作品が人に愉快さや楽しみを与えることは少ない。
私は1948年に北京で生まれた。母はお尻丸出しの私を抱いて写真をとったが、そのときからもう私の小さな顔は難しい表情をして、眉をしかめていた。それから両親について蘭州に引っ越した。そこで中等専門学校を卒業したのち社会に足を踏み入れた。藝術学校から文藝団体に入って、監督やプロデュースをした。今は武漢大学中文系で勉強している。
過去――私の幼年期は、幼稚で愚昧であった。その頃を思い出すと今でも悲しみと後悔を禁じ得ない。「幼年時代」に結婚し離婚もした。本はかなり読んだが、大して意味が分からなかった。沢山の人と知り合った。良き師や良友に恵まれた。それから他の人々にも。いろいろな人から厚意を受けたが、少なからず唾棄と憎悪にもさらされた。私の「幼年期」という仕事が終わったとき、私はようやく生活というものを認識しはじめた。そうだったのだ。生活は私に大した上幸をたくさんもたらしたわけでもなく、私が生活に対してあるいは人々に対して恨みを返すこともない。信じて欲しいが、多くは愛情を返すのだ。魯迅の言葉を借りれば、私は慎んで私の作品を「友人と仇、人間と獣、愛するものと愛さないものに贈る」のである。
(『麦客』作家出版社1986)
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