Gāo Shìqí
高士其
こう・しき

（1905.11.1～1988.12.19）

高士其小伝

　本名、高仕錤。祖籍は福建福州。1925年米国留学、細菌学博士の学位を取得。実験中、不幸にして脳炎ウィルスに感染し、生涯病と闘うこととなる。1930年に帰国、南京中央医院で検査科の主任に就任。ほどなく現実に不満を抱き退職。1935年、『読書生活』に最初の科学小品「細菌と衣食住行」を発表、その後の2年間で100篇近い科学小品を発表した。1936年最初の科学小品集『我們的抗敵英雄』を出版、抗戦勃発後は延安へ行き、1939年に入党。その後党は病気治療のため南方に護送、1949年に北京に戻る。
　1949年から1965年まで、60万字余りの科学小品、科学普及読み物を執筆、2000行を超える詩を書いた。なかでも「我們的土壌媽媽」は、1954年の全国児童文学一等賞を受賞。これは科学童話詩で、擬人化の方法を用いて、上手に土壌を、子供を育む母親に喩えて、土壌に関する知識を系統的に紹介するものである。
　彼の科学普及作品は、思想性、芸術性、科学性を一体化し、言葉はわかりやすく生き生きとしていて、イメージに富んでいる。

（徐建華『中国現代作家大辞典』新世界出版社　1992）

著書

研究資料

『中国当代文学研究資料　高士其研究專集』少年兒童出版社　1986.10