第三种人

Dìsānzhǒngrén
第三种人
第三種人(だいさんしゅじん)

  三十年代初、胡秋原、蘇汶(杜衡)等を代表とする文芸の一派。嘗て自らを国民党統治勢力と左翼革命文学陣営の間に位置する「自由人」、「第三種人」と称した。胡秋原は「芸術非至下」、「阿狗文芸論」、「勿侵略文芸」、「銭杏邨理論之清算と民族文学理論之批判」等を発表し、「文学と芸術を死に至らしめるのも自由で民主的であると考え」芸術を一種の政治 の主張を繰り返し流す道具に堕落させる事は芸術の裏切り者であると考え、政治に芸術の破壊を主張させる事は嫌悪感を抱かせると訴え続けた。 瞿秋白は「自由人の文化運動」を発表し、胡秋原の文芸自由論は実質的には統治階級を助け、プロレタリア階級の文芸を攻撃していると指摘した。その後、蘇汶は「作者の群れ」を代表する第三種人と言う名義を以って「現代」に「文新と胡秋原に関する文芸論文」、「第三種人の活路」、「文学上の干渉主義を語る」等を発表し、政治の文学に対する干渉に反対した。よって左翼作家は相継いで「文芸の自由と文学家の不自由」(易嘉即ち瞿秋白)、「一体誰が真理を必要とせず、文芸を必要としないのか?」(周 起應)、「第三種人を語る」、「続、第三種人を語る」(魯迅)、「第三種文学に関する傾向と理論」(何丹仁即ち馮雪峰)等、胡秋原、蘇汶等の観点を批判し、激しい階級闘争を前にして、現実を超脱しようとする第三種人は幻想でしかありえないと考えた。第三種人はきちんとした組織を持たず、各自の立場、観点も同じではない。

(『中国现代文学词典』上海辞书出版社1990)

作成:北川 聖

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