二種類の解釈がある。ひとつは作品の主な題材であり、もうひとつは作品の芸術的イメージの構成と生活光景の描写を通じて表現される主要な思想である。通常は後者を指して言うので、主題思想とも称される。主題の源である生活とは、作者の一定の歴史時期における社会生活に対する観察、体験、研究、分析である。と同時に作者はこれらの生活現象に対する審美的認識と評価を表す。主題は階級及び時代の特色を備えている。主題は作品の魂であり、芸術構想過程における最も重要な一環である。作品の各方面の内容を構成し、ひとつの有機体全体の核心となり、作品の思想性を決定する主な要素となる。主題の妥当性、内容的深さ、独創性は、文芸審美評価の基本的要求である。ある種の小説では主題のほかに、副主題や多主題ある。

 

（『中国小説辞典』北京出版社　1990）

作成:河本美紀