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Lǐ Áng
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(1952- ) |
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李昂小伝:本名、施淑端。1952年彰化鹿港生まれ。アメリカ・オレゴン州立大学演劇修士。現在、文化大学で教鞭をとる。幼少の頃より、二人の姉、文学教授の施淑と作家である施淑靑の薫陶を深く受け、中学2年生のときに創作を始める。作品のテーマは斬新かつ大胆で あり、文壇ではずっと論争の種になっている。中でも、中編小説『殺夫』(『夫殺し』)は世に出るや、世界の文学界を震撼させた。この作品は相次いで英文、独文、仏文に翻訳され、各国で出版された。すでに出版されている短編小説集には『混聲合唱』『人間世』『愛情試驗』『他們的眼 淚』『花季』『一封未寄的情書』、中編小説に『殺夫』『暗夜』、長編小説には『迷園』があり、 コラム選集に『女性的意見』『走出暗夜』がある。 (『台湾作家全集・短編小説巻/戦後第三代 李昂集』前衛出版社 1992年) |
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『花季』前書きこの小説集の中の小説ほとんどは16歳から18歳にかけて、つまり高一から高三の間に書いたのもである。しかしこれらは学生の宿題ではなく 、みな完成せれた作品であるということを先に強調しておこう。この幼いときに、全く自覚なしにしていたこの創作過程中で、このような作品 が書けたことは少なくとも私に小説を創作する才能が少しはあるということの証明である。しかもこの思い入れがあるからこそ私が長い間各種 各様のプレッシャーの中で自信を失ったときでも創作をあきらめずに済んだのである。いつもこう思うのです。あの頃あれほどの小説が書けた のだからこれからも続けて努力する価値はあると。 これら初期の作品はカフカの、所謂「現代主義」小説の影響を受けていると思われる。私はこれについてはコメントしないが、これらの小説において本当の「現代主義」小 説の立足点を探し当てたいと願っていた。悔しいことにいまだ果たされていないが。ただ言っておきたいのは小説と鹿港は必然関係がありけっして現代主義の夢魔ではない。この小説集の前七作品は「花季」のクリスマスツリーを買う場面や、「婚礼」の祖母 に代わって素食を届ける場面などに基本的にみな日常生活の中で起こった事件であり。 確私の生活の中で起こった本当の出来事である。ただ鹿港でのこれら生活上の事件が一種の特異的行動によってまた別の意味合いを表現している。確かに私が当時カフカや現代 小説、フロイトを大量に読み漁り、それが私に基礎的な表現形式を学ばせたという点は否定しない。 このことから鹿港と私の創作には必然関係があることがわかる。この私の創作を育ん場所、最近では「夫殺し」を書かせた尽きることのない創作の源泉である鹿港は私の一 生の中で一体どんな役を演じるのだろうか。 |
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作品集・単行本『台湾作家全集 短篇小説巻 戦後第三代 李昂集』前衛出版社 1992.4 |
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邦訳 |
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| 作成:中本美奈子 ・廣瀬文子 |





