Huáng Gǔliǔ
黄谷柳
こう・こくりゅう

（1908.11.15～1977.1.2）

黄谷柳小伝：

　原籍は広東梅県で、祖先はベトナムに住んでいた。ベトナムの海防市生まれ。1927年香港に移住。『循環日報』で校正係を勤める。かつて『大公報』に「過海防」という通信を発表した。1931年から1941年までの間は軍閥陳済棠の軍隊で働く。中篇小説『楊梅山下』および多幕劇「碧血丹心」などを書いた。
　1946年、香港に戻り、特色に富んだ長篇小説『蝦球傳』を創作したが、これは40年代における優秀作で、広く好評を博した。作品は少年蝦球が出口を求め、光明を追求する曲折の経歴を通して、解放前の都市の流浪少年の苦難を描き、旧社会の腐敗を訴えた。小説は章回体の形式を用い、プロットは生き生きとしており、構成は緻密で、鮮明な地方色に富んでいる。
　1949年中国人民解放軍に参加、粤桂辺縦隊司令部秘書、『南路人民報』編集者を勤める。1950年『南方日報』に配属され記者となる。中篇小説『漁港新事』を書いた。抗米援朝時、二度にわたり朝鮮の前線に赴き、1953年に帰国後は中国作家協会広東分会で働き、1977年病死。

劉亜鉄『中国現代作家大辞典』新世界出版社　1992

著書・単行本

『蝦球傳　第一部　春風秋雨』香港・新民主出版社　1948.2初版1949.5六版
『蝦球傳　第二部　白雲珠海』香港・新民主出版社
『蝦球傳　第三部　山長水遠』香港・新民主出版社　1949.2再版
『漁港新事』新華書店河南総分店　1951
『戦友的愛』散文・通信集　中南人民文学藝術出版社　1954
『大象的経歴』童話　河南人民出版社　1955
『生命的呼喚』（話劇劇本、別名『平凡的創造』）周国瑾、符公望と共著　河南人民出版社　1955
『接班人』中篇小説　工人出版社　1957
『蝦球傳』(1-3合集)北京通俗文藝出版社　1957