商務印書館

Shāngwùyìnshūguǎn
商務印書館
しょうむいんしょかん

 1897年上海に創設された出版所。最初は日中合弁であったが、後に中国側が全資本を買収した。教科書、古書、科学書、文芸書、工具書などを印刷出版したが、雑誌としては『東方雑誌』『教育雑誌』『中学生雑誌』『小説月報』などを上海編訳所で編集発行した。古書関係では『四部叢刊』の出版、工具書では『字源』の出版などが注目される。1916年の秋に、北京大学予科を卒業して入社した沈徳鴻(後の小説家茅盾)が、編訳所で『四部叢刊』編集の仕事や『中学生雑誌』の編集に従事し、その後、1920年から1921年にかけて、販売部数の落ち込んだ『小説月報』の編集長に抜擢され、「鴛鴦蝴蝶派」の旧文学を捨て新文学を掲載する雑誌に改革したことはあまりにも有名。その関係で「文学研究会」の機関紙として、『文学旬刊』(後の『文学週報』)、『詩』なども発行したが、また一方で鴛鴦蝴蝶派の巻き返しにより、『遊戯世界』などの旧文学雑誌も出していた。1932年上海事変で、日本軍の爆撃により、総務処、編訳所及び敷設東方図書館(涵芬楼を含む)印刷総廠などが焼けてしまった。北京、香港にも文館をもっていたが、戦後それぞれ独立し、蒋介石の渡台に伴い、台湾にも商務印書館ができた。1954年5月、本社を上海から北京に移転。
研究資料・関連書(中文)

『商務印書館八十年史』
『張元済書札』商務印書館 1981.6
『張元済日記』(上・下)商務印書館 1981.9
『商務印書館九十年――我和商務印書館』商務印書館 1987.1
『張元済年譜』商務印書館 1991.12

研究書(日文)

『初期商務印書館研究』樽本照雄/著 清末小説研究会 2000.9.9
『初期商務印書館研究 増補版』樽本照雄/著 清末小説研究会 2004.5.1

作成:青野繁治

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